おまつクソブログ第1話(最終回)

あのまっちゃんによる日記のよーなもの。

たぶんこれは細木数子現象

青木まりこ現象』というものをご存知だろうか。

 

青木まりこ現象(あおきまりこげんしょう)とは、書店に足を運んだ際に突如こみあげる便意である。(Wikipedia引用)

 

たぶん体質にもよるんやろうけど、俺は本屋に行くと必ずと行っていいほど腹が痛くなる。

結構あるあるネタとしていろんな人からこすられてきた事案だと思う。

 

俺は長年、便秘に悩まされてきた。

そんなお通じ激悪ボーイな俺はこの青木まりこ現象を使って便秘解消してる。

 

方法は簡単。

近所の本屋に行って本を真剣に選ぶフリしてウロウロするだけ。

するとたちまち自分の腸を青木まりこが襲ってくる。

これを開発した時、俺は天才だと思った。

 

この前の休日、いつものように青木まりこの力を借りに本屋に行った。

 

うんこを出すためだけに本屋を利用するのは悪いので、いつも適当な文房具を買って帰る。

だいたいボールペンか消しゴムかシャーペンの芯。

今まで青木まりこに貢いできた文房具の量は計り知れない。

たぶん店員に裏で文房具の人って呼ばれてると思う。

 

でもその日は文房具ではなく、毎日出勤時の電車が暇すぎるから何か本を買おうと決めていた。

 

適当に本を選んでいると、細木数子の表紙が目についた。大きく、六星占術と書かれていた。

俺は今年が大殺界だということを思い出した。

ちょっと興味がある。

大殺界ってやっぱヤバいんやろか??

対処法は??

細木数子よ、、、我に力を託さん!!!

 

気がつくと俺はレジで金を払っていた。

その本屋での俺へのあだ名が文房具の人から細木数子に変わったかもしれない。

 

俺は帰り道だんだん冷静になって、「この本を定価で買ってしまった時点でもう俺の大殺界は猛威を振るっているのでは…?」と思ったと同時に、うんこをし忘れていることに気がついた。

 

脇の下>>>>>睡眠時間=命

ついに昨日から仕事が始まった。

 

職場が遠いこともあって、朝6時起き。

これでも最大限に睡眠時間を確保した結果である。

化粧する時間もありゃしねぇ。もちろん毎日すっぴんで出勤している。んー、口紅くらいは塗ろうカナ…。

 

でも睡眠時間だけは絶対譲れない。俺にとって睡眠は1番大切。あと給料と休暇と命。これも1番大切。

なんにしろ6時起き厳守。これは揺らぐことのない決定事項だ。

 

俺は初出勤の日、緊張しながら電車にのる。

最寄りの摩耶駅からは普通電車しかない。

朝早いこともあって、電車は空いていて難なく座れた。

芦屋で新快速に乗り換えた。すると、さっきまでの空きっぷりが嘘のような満員電車。

 

なんやこれ。これが通勤ラッシュか。

完璧ゆとりの俺は満員電車を人生であまり経験していなかった。こんなにストレスなのか。

神戸にこんなに人間おったんやって思った。

 

おい、ばばあ!!その目の前にカバン置いてるスペース詰めやがれ!!

おい、おっさん!!この状態で新聞読むのはさすがに諦めろ!!

おい、お姉さん!!かわいいなぁおめーは!!

 

文句を言いだすとキリがない。

しかも位置取りが悪くて、吊革を掴むじいさんの脇の下が俺の目の前にくる形となってしまった。

俺の目からもし破壊光線が出るなら7、8人は焼き殺してるかもしれない。ちなみに脇の下じいさんには2発浴びせてる。

そんな中でもリーマンは諦めにも見える涼しい顔して乗ってる。

 

無理だ…こんなの毎日耐えられない…。

仕方ない、こうなりゃ奥の手を使うしかあるまい。

 

俺は次の日から新快速を使わずに、普通電車のみで通おうと決意した。

普通電車ならだいたい1.5倍時間がかかる。

だるいなぁ…。

でもどう考えても毎日脇の下よりはマシだ。

 

俺のアラームセットが6時から5時半に変わった瞬間だった。

 

 

 

よく考えればそりゃそう。

サウナに行ってきた。

最近サウナにはまっている。

サウナに入って体重を測ると1キロくらい減ってて、痩せた気がするからほぼ毎日通っている。

多分ただの脱水症状。

 

サウナに入ると、刺青のおっちゃんがいた。

いや、大丈夫。サウナに刺青の人がいるのは、よくあることだ。

そう言い聞かせて怖いから下を向いてると、喋り掛けてきた。

 

刺青「にいちゃん若いな、学生??」

 

俺「いや、社会人です」

 

刺青「そーなん。なんか運動やってた?部活何しとったん?」

 

俺「テニスやってました」

 

刺青「テニスかぁー、かっこええな。おっちゃん何部やったか聞いてや」

 

俺「何部やったんですか?」

 

刺青「ミシン部」

 

多分笑うとこなんだろうけど、変に笑うと指が全部失くなる気がしてうまく笑えなかった。

ミシン部ってなんやねん。どんだけ生徒多かったらできんねんミシン部。

 

 

微妙な愛想笑いを浮かべてると、「はっはっは!そりゃそんな反応なるわな」と言ってきた。

ミシン部やったこともあって、ああ悪い人じゃないんだなってことはわかった。

 

続けて、「もうテニスやってへんのん??」と聞いてきたから、「はい、もう全然やってないです」と答えた。

 

すると、「運動は続けなあかんで。テニスなんて一生できるやん。やないと、おっちゃんみたいな腹なるで。」と言ってきた。

完全に刺青にビビってる俺は「立派な体ですやん。」と、無意識にクソ失礼なことを言っていた。言った直後にめちゃくちゃ反省した。

 

こんな見当違いな失礼極りない返しにおっちゃんは怒ることなくその後しばらく談笑が続いた。

 

 

結果めちゃくちゃいい人で、人間やっぱ見た目で判断したらあかんねんなぁと思っていると、おっちゃんが「んな、人待たしてるからもう行くわ」と言って立ち上がった。

俺が「お疲れ様です。仕事ですか??」と聞くと、「いや、学生んときの連れと飲み」と答えた。

 

俺が「長い付き合いですね、いいですねそういうの」と言うと、「おう、空手部の後輩やな。もう先輩後輩って感じちゃうけどな。にいちゃんも友達大事にしーや」と言ってきた。

 

おっちゃん、ミシン部じゃなかった。

B'zも出演してた

最近眠りが浅いからか、夢をよく見る。

それも嫌な夢ばっかり。

 

嫌な夢を見るとその日一日憂鬱だと言い張る人は結構いると思う。

 

本当にそうか??

 

俺の場合、嫌な夢見て目がさめると、確かに最初は気分悪いけど、次第に夢でよかったという気分に変わる。

で、「ふぅぅ!!!現実最高!」となる。

しかしそう思ったのも束の間、浮いた話のないこの現実。

結局マンネリ化した一日を送る。

憂鬱にはならないけど、別に幸福感も得れない。

 

逆に良い夢を見るとする。

お金持ちになる夢、好きな芸能人に会う夢、大好きなあんちくしょうと付き合う夢、好きな芸能人が急に大金をくれてお金持ちになった後に大好きなあんちくしょうと付き合う夢…。

 

すると目覚めは良いけど、しばらくして目を覚ましたことを死ぬほど後悔する。

本気でアラームを恨む。 

現実が刀を振り回して襲いかかってくるあの感覚。

結果その日見た夢をずっと引きずって現実世界を楽しめない。

嫌な夢よりもむしろ良い夢の方が人を憂鬱にすると思う。

 

極論、夢なんて見ない方がいい。

良い夢も悪い夢も、現実世界を生き抜く上で枷にしかならない。

それに、夢なんて見ずにぐっすり眠れるに越したことはないのだ。

 

もしくは、昨日の夜見た『なぜか自分がミュージックステーションに出演して延々とタモリに頭を撫でられる夢』くらいが一番その日をフラットな気持ちで送れるのかもしれない。

 

結局

就職が決まった。

 

やっと約1年のフリーター生活にピリオドを打つことができる。

 

フリーター…嫌な響きだ。

正式名称、非正規雇用者。もうダメ人間の香りがプンプンする。

 

この1年間いろんな書面の職業欄を偽った。

ある時にはミュージシャンと書き、ある時には公務員のところに丸をつけたり、またある時には自営業と名乗った事もある。

自営業の時はさすがに自分でも、いや無理あるだろと思った。

 

就職先は、伊丹のとある工場。

この就活期間、近場で配属先が決まったはずなのに急遽福岡行け言われたり、ツテの会社からずっと熱烈オファー来てたから面接申し込んだのに、ぐだって面接流れたりといろいろあった。

伊丹はちょっと遠いけど、もう履歴書書きたくねぇ!と思ってこの会社に決めた。

 

正直不安はいっぱいある。

嫌な先輩ばっかりじゃないか。給料はちゃんと聞かされてた額くれるのか。ボーナスはどれくらいくれるのか。休みはそれなりにあるのか。食堂の飯はうまいのか。作業着はダサくないか。自販機でジュースを買った場合、ちゃんと横にゴミ箱があるのか。出勤時、犬に噛まれないか…。

考え出すとキリがない。

 

正社員経験はあるから、一応社会の厳しさはそれなりに知ってる。…つもりだ。

まぁ職種も全然違うし、関係ないんかもしれんけど。

 

正社員の時は毎日病んでた。次の日が来る恐怖がすごかった。

その時の口癖が、「あー、寝たら明日くるんやなー」だった。寝なくてもくるのに。

 

当時ラーメン屋だった俺は完全に湯切りする機械だった。

そういえば、入社初期に店長に「基本的に俺の真似して覚えたらいいから」って言われたから、店長のかっこいい湯切りを真似したら「松田くん、そういうのいらないから」と言われたことがある。あ、はい。ってなった。

 

正直、仕事のこと考えると相当だるい。

どうせだるい。自分にとってだるくない仕事がこの世に存在しないことも含めてだるい。

多分社会人に向いてない。

エックスデーは6月25日。

期待値上げると絶望がでかいから、期待せずに頑張ろう。

 

正社員…嫌な響きだ。

 

 

アダルトなそれをBGMに

母と親父が初の2人きりで旅行に行ってる。

弟は野外活動にいってて、家には俺1人。

 

つまり擬似一人暮らしだ。

ワクワクする。

恥ずかしながら、この歳になって未だ1人暮らしをしたことがない。

実家の恩恵をしこたま24年間浴びて育った。

そんなおれにとって一日中家に1人というのは珍しかった。

田舎から飛び出してきた夢見る少女の気持ちを一日体験できるのだ。

今日は仕事が終わったら絶対家から出ないと決めた。

 

仕事が終わって、さっそくDVDを借りに行った。引きこもりにDVDは欠かせない。

 

DVDを選んでいると、ピンクののれんが目に入った。アダルトコーナーが俺を呼んでいた。

今日家には誰もいない…これだ!どうせなら1人でしか出来ないことをやらねば…!

俺は謎の使命感に駆られてアダルトコーナーに吸い込まれて行った。

っていうかもうこの時点で夢見る少女ではない。夢見る少女はアダルトコーナーに行かない。

夢見る少女どころかその時の俺の心は完全に休日の童貞だった。

 

AVを選んで精算をしようと思ったら、なかなか足が進まない。

恥ずかしい。レジに行きたくない。AVを借りたことがないから、レジでの恥じらいの抗体が出来てない。完全に盲点だった。

10分くらい借りるか迷って店をウロウロした挙句結局AVは借りなかった。自分の根性の無さを恨んだ。

 

帰りにコンビニに寄った。

焼酎と、せっかく1人なんだからと思って普段は買わないちょっと高級感あふれるつまみを買った。イカとチーズとスナック。

それぞれ並んでる商品で一番高いやつを買った。

 

家に帰ってどうしてもAVを諦めきれず、とりあえずスマホのアダルト動画をイヤホンを付けずに流した。

今日はイヤホン付ける必要がない。なぜなら家には俺1人だからだ。

先ほど買った酒とつまみを楽しみながらそれを観賞した。

 

しばらくして、結構酔ってきて水を飲みたくなったから冷蔵庫を開けた。

冷蔵庫を探っていると、今日俺が買った酒とつまみと全く同じクオリティの物が入ったビニール袋とメモ用紙が出てきた。

メモ用紙には「風呂上がりにでも飲んでください」と書いてあった。母の字だった。

 

俺は誰もいない家で半裸で「母上!!」と叫んだ。

 

そしていつまで帽子を被るつもりだ

この前、1人で立ち飲み屋に行ってきた。

 

結構俺は1人で飲み屋に行ったりする。最初はちょっと抵抗あったけど、最近は手慣れてきた。

1人で飲み屋なんか行って、自分に酔ってるサブイ奴やんそれ?って思う人もいると思うが、それが全くその通りだからなにも文句を言えない。

 

飲み屋に入りビールと自分に酔ってると、酔っ払いのおじちゃんが入店してきた。

ちょうど俺の左隣に案内された。

 

おじちゃんはどうやら常連らしい。店の人や、顔見知りっぽいお客さん達と挨拶を交わしている。

隣にその常連が来たもんだからみんなの視線がこっちに向いて、食べづらいなーなんて思ってたら、左の方からすごい視線を感じた。

見てる。おじちゃんめっちゃこっち見てる。

これ俺に喋り掛ける隙をうかがってるやつや。

それを察した俺は、もういっそ自分から話しかけようと思った。

 

俺がおじちゃんの方を向き「よく来るんですか?」って言おうとしたら、俺がおじちゃんの方を向いた瞬間に、ノーモーションで「お兄ちゃん、オシャレやなぁ」と喋り掛けられた。

一瞬の出来事だった。

 

少し戸惑ってから「あ、ありがとうございます」と返すと、

「ちょっとその帽子被らして」と言われた。

なぜ??と思いながらも俺は被ってた帽子を渡した。

すると「お兄ちゃんお酒好きやろ?でも酒は怖いで。酒はええけどなぁ、山口達也みたいになったらあかんで」と笑いながら言ってきた。

もう話しが四方八方に行っている。

この人は相手の心に入り込んで、ナチュラルに人の帽子を奪い取る妖怪なのかもしれない。

 

俺は、帽子についてのコメントが少しも出ないことについて疑問に思いながら、とりあえずなんか答えないとと思って「まぁねー、でも顔は山口達也みたいになりたいっすけどねー笑笑」と返した。

俺の中では満足の返しができた。

戸惑いながら出した、誰も傷つけない粋な冗談。

まぁ笑うまでは行かんけど、うまいこと言いよるなくらいの反応を期待して、若干のドヤ顔をしておじちゃんの顔を見た。

 

小声で「んんっ…んんっ…」と漏らしているおじちゃんは、ハマチのお造りに夢中で全然聞いてなかった。

人生で一番ハマチに嫉妬した日だった。